midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「生きてるぜ!ロックスターの健康長寿力」を読む。

下世話な駄本だろうなと思って読んだけど、ほんとに駄本だった。タイトルに沿うような、ロックスターが実践する菜食主義的な食事法やヨガ・エキササイズみたいなアンチエイジング方法について知る本だと思うけど、内容としては半分くらいと言っていい。後は、著者とロックスターが一緒に写った写真だったり、好きなように生きることこそアンチエンジングだ!みたいに開き直って、若い女の子と寝ることだったり(アンソニー・キーディス)、趣味の鉄道模型に勤しむことだったり(ロッド・スチュワート)だったりと「健康長寿力」とあまり関係ないような話題でお茶を濁す。まぁ、トリビアとしては面白い面もあるんだけど、ただのゴシップ雑誌の斜め読みとクオリティは大差ない。「長寿力」というタイトルだとしょうがないかもしれないけど、本書で取り上げられるのも若くて50代、メインはポールマッカートニーやらローリングストーンズの面々など70代の人ばっかで、いわゆる団塊世代の著者と同世代のおっさん向け人選も萎える。

正直、普段なら笑って済ませられるようなくだらなさなんだけど、何か許せないのは著者が「音楽評論家」を名乗っていること。最近、制作経験もない、譜面も読めない音楽評論家ってどうなん?みたいなまとめを観て(https://togetter.com/li/1061002)、激しく影響を受けてしまったことも大きい。本書の著者はまさしく、音楽評論家なのに楽理を通した音楽の仕組みやそれ自体の響きの楽しさ・音響についてについては全く語れず、有名な芸能人をおっかける感覚で三面記事的ゴシップや、ツアーの途中のホテルをぶっ壊したみたいな武勇伝しか語れないつまらない評論家の代表なのだろう。勿論、売文やってるからには需要があるからこういう商売が成り立ってるんだろうけど、こういう低クオリティの本を見るとさすがにうんざりする。