midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「新R&B入門」を読む。

D'angeloとの関連で切り出した異色なR&Bのアルバム単位のディスクガイドであり、改めて彼の音楽がもたらす磁場の強さに驚かざるを得ない。内容的にはいわゆるキダー・マッセンバーグが提唱したNeo soulなものが多いのだが、結構知らないアーティストも多くてびっくりした。内容的にはD'angeloの音源の詳細な紹介と、ニュークラシックソウルのレジェンドたち(Curtis mayhieldやStevie wonderやDanny hathawayなど)一人一人に分けてその音楽的子孫たちを紹介していくという感じ。D'angelo以降のゴスペルミュージック、とかブルーアイドソウルとかの小さな章も面白い。160頁ほどと内容は短く、著者の林剛氏と荘治虫氏のこだわり抜いた選盤が楽しめる。何しろ冒頭から、「ビヨンセもアッシャーもニーヨもクリス・ブラウンもトレイ・ソングスもティナーシェも登場しない」という出だしなのだ。彼らが今日のいわゆるR&B界を代表するアーティストであることは間違いないが、あくまでもD'angeloとの関連で言えば紹介するアーティストではない(それが良いとか悪いとかではなく)ということだろう。ただ、それを差し引いても例えばcee loが入るならandre 3000を入れても良いのでは?とか、sa-ra入れるなら関連してspacekとかも挙げて欲しいなぁ、とか色々と思うところは尽きない。もちろん著者は彼らのことも知っているだろうし、その上で外しているわけだけど、その辺の境目を考えることが逆に面白かったりするかもしれない。