midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

宇多丸の「シネマハスラー」を読む。

TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』

TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』

面白かった。多分活字にすることで失われてるエネルギーは多いと思うけど、その分実際のしゃべりで触れられなかった情報が脚注に載ってたりして楽しめる。しかし週一で映画観てこれだけ語れるというのはやっぱすごいな。基本的に宇多丸氏が嫌いな映画は、描く対象への掘り下げが低い、要するに観客をナメたつくりをした映画。あとは記号的に音楽や演出を盛り上げて「泣かせ」に行く映画とか。テレビ局主導の金にあかして作られた映画はそんなんが多いっぽいね。「この人が制作に関わってるとロクな映画にならない」っていう指標になってる人がいるのは笑った。

読んでて意外だったのは「WALL E」の評価かなぁ。これ、俺としては楽しめたけど決していい出来だとは思わないけど、かなり高評価で驚いた。あと、映画評論のスタイルについて蓮實重彦を挙げてるのも驚いた。そんな強く影響は感じないけどなー。

とにかく、この本ではつまらない映画でも、「なぜつまらないか」を「面白く」語ることが出来てる。観た事ある映画は3分の1くらいだったけど、観たものは答え合わせみたいな楽しみ方ができるし、見てない映画についてもネタバレはしてないから読み物として楽しめる。ここで酷評されてる映画も文章が面白いから逆に見てみたくなるんだよね。これ読んで観たい映画リストも増えたし、今年はもっと積極的に映画館で映画見たいなーと思う。