midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

ドストエフスキーの「賭博者」を読む。

賭博者 (新潮文庫)

賭博者 (新潮文庫)

やっぱり「地下室の手記」でもそうだったけど、嫌な人間の一面をえぐり出すのがうまいなぁと。本作も登場人物は多いけど(最初は名前とキャラ一致させるのが大変だった)賭博で儲けた人とそれに群がる人、財産を失った人も皆人生を狂わされて最終的に幸せになった人とかいないし。

これを賭博狂だったドストエフスキーが描くというのも面白い。

金に執着する人物たちを冷徹に見つめた「華麗なるギャツビー」と同じく、自虐的に自分を描いたんだろうか。

あと、主人公が倍々で買っていく時の高揚感ある文章が良かった。福本伸行作品を読んでるみたい。