midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

井上靖の「愛」を読む。

愛 (角川文庫)

愛 (角川文庫)

多分、この人はそれほど言葉に対する感覚が鋭い作家ではないんだと思う。

読んでみて、過剰でもなく研ぎ澄まされてもいない文体が身近に感じられる文章ではあった。ホントに短い文章が三つで、どれもなんとなく頭に残る。

そういう意味では、短い文章の中にある印象だけを読者に残すことに成功してるのかも。

昭和の香り漂う生活感のある描写とか、いじらしい妻の描写とか、なんとなく楽しめる。