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「ブラッド・スローン」を観る。

ブラッド・スローン [DVD]

 良く知らないけど、リアルギャングスタが沢山出演してるイカした映画ということで観てみた。絵面はカッコいいんだけど、物語としてはちょっと微妙かな？という感じだった。証券会社に勤めていたエリートサラリーマンが交通事故で人を死なせてしまって入ることになった監獄で、生き延びるためにストリートギャング達とつるむようになっていき、果てにはボスにまで上り詰めるというお話。

主人公の俳優さんがめちゃイケメンでかつ、爽やかリーマンからどんどんマッチョになって厳つくなり、上まで留めたネルシャツやアーリアン・ブラザーフッドらしいタトゥーを入れた西海岸ファッションなど、いい感じのギャングになっていく姿を好演している。出てくる囚人たちもガチ感が強くて、血みどろで殺伐とした全体の雰囲気は好きなのだが、主人公が悪の道にのめりこんでしまう過程がイマイチ納得感なかった。特に、主人公は金融関係の仕事していた関連から「マネー」とあだ名されることになるんだが、監獄内で金融業やって儲けてギャングの世界でのし上がるみたいな描写がないんだよね。「ショーシャンクの空に」みたく監獄内で専門知識を活かした活躍をしないと設定が生きないなぁなんて感じてしまった。

それに、生きるためとはいえ最愛の家族をないがしろにするほどギャング生活に傾いてしまうだろうかというのも疑問。主人公を追う警察官に「お前はやり直せる」と必死の説得を受けても意に介さず、最悪の道を選択する破滅的な主人公。地獄で最も重い罰を臨んだ戸愚呂兄弟の弟みたいだ…。