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webエンジニアのメモ

「酔っぱらいの歴史」を読む。

酔っぱらいの歴史

酔っぱらいの歴史

 

話題になってた一冊。ライトで皮肉の効いた語り口で楽しく酒と人類の関わりを学べた。古今東西の酒に関するトリビアをたくさん紹介されていて、それこそ酒の場でネタになりそう。

・「イングランドでは仕事が終わってから酒を飲むのだが、スリ族は仕事を始める前から酒を飲むのである」移行的飲酒 →すごい、そんな発想あるんだという驚き。

・動物も酒を飲む。マントホエザルはホシダネヤシから落ちた果実(アルコール度数4-5%)で酒盛りをする。そして、きちんと酔っぱらう。マレーシアのツパイというリスみたいな生き物は体重比率で行くと底なしに飲めるし、酔っぱらわない。

・「われわれが農耕を始めたのは、酒が欲しかったからだ。」 →マジか。

・「大ピラミッド建造に参加していた労働者の賃金の一部はビールで支払われていた。」 →給料代わりのビール。

ギリシアと比較したアテネの飲み方は、計画的に飲んで酔っ払っていたことらしい。計画的に、決まった量を飲み、計画的に酔っぱらう。

ソクラテスはうわばみだった。

・中国では、酒はいいものだが危険・取り締まるべきだと早くから認識されていた。

・イエスも生前はうわばみだった。最後の晩餐でもワイン飲んでるしね。

・共和制ごろのローマ人もギリシア人の飲酒文化をバカにしていたらしい。でも、訂正ローマの頃には世界で初めてのワインヲタ(産地や年代にこだわる)を生み出していたらしい。

・今のムスリムは酒を禁忌にしているが、酒飲みのカリフもいた。

・北欧ヴァイキングも大酒飲みで、自分たちの偉業を大声で自慢する文化があった。スムブルという酒の場には吟遊詩人や楽師も一緒だったので、現代のラップバトルのようなもの。

シェイクスピアはワイン党。自著にもエールと比べてワインの描写が遥かに多い。

・中世のイングランドではエールは栄養のために飲む意識もあり、仕事中でもどこでも飲んでいて、まだパブという概念がなかった。給料にもエールが組み込まれており、言ってみれば液体のパンだった。家庭での醸造も良くやっていた。

・アステカでは酒は禁止される傾向が強かった。でも、定年になって引退したおっさん達は酒が許された。

・イギリスでは国王の血筋の関連(オランダ系)で17世紀ごろからジンが流行った。

アメリカ最大の蒸留業者でウイスキーを生産していたのがジョージ・ワシントン有権者に酒をふるまって当選した。

・ロシアという国はアルコールからの収入に依存していた。アルコール依存の人々に国が依存していた。彼らの健康管理よりも、収入優先していた。アルコールを禁止しようとする為政者は全く支持されなかった。