midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

ゲット・アウト」を観る。

先週、新文芸坐にて。期待通り、面白かった!コメディアンの黒人俳優が監督を務めた、低予算製作ながらも面白さからアメリカで大ヒットしたサスペンススリラー。ちょっぴりSF風味もあり。ネタバレ厳禁系で、鑑賞後にタイトルの意味にうならされる。

とにかく脚本が丁寧で優秀で、意味のないシーンが全くないと言っていいほど伏線が散りばめられている。観終わった後に、「あー、あのシーンはそういう意味があったのか」感が半端ない。主人公の周囲の人物たちの何となく不気味な行動による不信感を募らせていくホラー演出も上手い。スター俳優や最新鋭の映像表現を使わなくても、ストーリーテリングの手法としての映画の質がめちゃくちゃ高ければこんなに面白くなるんだ、というお手本のような映画。

そして、白人の登場人物たちによる、いわゆる差別語の類は全く口にしないのに、なぜか不愉快で苛立たせる言動がすごく印象的。アメリカのリベラル白人層の捻じれた差別観を炙りだしているらしく、オバマ支持だったり一見主人公である黒人青年を尊重しているような態度なのに、「一人の人間」とみなしていない感じが薄気味悪くて面白かった。