midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

朝井リョウ「何様」を読む。

「何者」って前作の続きものなのか。読んでないけど、どっちにしろつまんねぇ。各方面からの評価も高いし人気もある作家なので期待して読んだけど、がっかり。映画の「桐島」は良かったんだけどなぁ。

基礎的な文章力が低くて、味があるとは言い難い変な比喩や言い回しが多い。読んでて思ったのは山田悠介の文章との既視感。現代日本が舞台なので突飛な設定や奇天烈な社会描写も出てこない分山田悠介よりはまともに読めるけど、大学の文芸部とかでも著者より上手い人はたくさんいると思う。短編集になってるけど、基本的に自分の話か友達の話とかSNSとかでいくらでも聞けるようなインスタントでライトな話しかなかった。本作の登場人物も著者も、スタバでコーヒー飲んだり無印良品で買った服着て東京を歩いていたりするんだろう。取材が必要そうな専門的知識も全くない。謎ときもないし、大きなドラマもない。かといって繊細でミクロな感情の機微を楽しめるわけでもない。何の面白さもない。著者について詳しくないんだけど、実作がメインであまり読書量がないのかも知れない。作中でも特に他の芸術作品にまつわる固有名詞が出てこない。ケータイ小説の劣化版というか、読んでて苦痛だった。