midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

星の時計のLiddell」を読む。

何かのレビューで絶賛されてるのを読んで以来、いつか読みたいと思って早12年ほどだろうか。マンガ喫茶とかにはないし、かといって原本はプレミアついちゃってるし全く機会がなかったんだが、何とマンガ図書館で発見。マンガ図書館、カスみたいなマンガが大半を占める中、「LAMPO」とか「電撃ドクターモアイくん」とか本作とか超ド級に読みたくてしょうがなかった作品をしれっとアーカイブしてたりするからやめられない。

んで読んでみたけど、高まりまくった期待からするとちょっと微妙かな…。ストーリーとしては70年代のアメリカを舞台に、何度も繰り返し観る夢に出てくる家や女の子の正体に魅せられた男と、それをサポートする金持ち有閑ロシア人の男が共に夢の正体を追うというもの。なんだけど、そういうストーリーよりも登場人物たちのやたらと衒学的な会話自体を楽しむのが主役という感じもする。欄外の注釈もすごく多いので雰囲気的には「攻殻機動隊」に近い。それも、当時のアメリカの雰囲気なのか東洋思想とかフロイトとかに関するかなりスピってる会話とか見開きを使ったポエムをこれ見よがしにしてるので、リアリティがあまりなくむちゃくちゃナルシスティックでスカしてる感じが否めない。絵は少女漫画テイストは勿論あるんだけど、非常に書き込みが細かく写実的なので止め絵として完成度が高くセリフを追わないでも溜息ものなんだが、マンガとしてはどうなかぁと思ったり。読めたのは貴重な体験だったけど、今となっては心に響かないなぁというのが正直な感想。