midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「東京レコ屋ヒストリー」を読む。

レコ屋に通い始めて早10年ほど。主にダンスミュージックやブラックミュージックが守備範囲なので有名でも行ったことのないレコード屋もたくさんあるが、本書に取り上げられているレコード屋でも行ったことのある店舗もたくさんあり、ちょっとした裏側話としては楽しめる。ただ、amazonレビューにもある通り、構成が行ったりきたりで読みづらい。著者は渋谷系に関する著作があるライターさんで、小さな章単位で読めばなかなかこなれた文章で上手いなぁと感じるのだが(本書で初めて美人を「柳腰」と表現すると知ったよ)、全体の構成がイケてない。東京で初めてのレコード屋は?みたいな章から始まるから時系列で紹介していくのかと思いきや、行ったり来たりするし、ジャンルの括りでもないし、著名なロックスターのレコード屋巡り裏話みたいな話が随所に挟み込まれたり。店主のインタビューはきっちり取材して生の声を収録しているんだろうけど、本書のアーカイブ的な情報も結構間違いが多いらしい。400ページを超す結構な大著なんだから、レコード屋系統樹的な図を作ってみたりとかすればわかりやすいのに、とか思ってしまう。本書にある資料的なものは1ページ足らずの参考文献のみ。レコード好きおじさんたちの行きつけだったお店に関する思い出裏話、的に読むと面白い。