midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

極悪がんぼ」を読む。

スマホアプリで読了。「ナニ金」のダークサイド版という感じで面白かった。広島で恵まれない家庭に育ち、うだつの上がらない仕事をしていた主人公の神崎が悪友に唆されてカード詐欺に手を出して失敗ししま流れにされるが、ひょんなことから事件屋の金子に拾われることになり、借金を返すため・ビッグになるために事件屋として成り上がっていく姿を描く。

基本は3、4話単位で一案件を扱っていくんだけど、徐々に主人公の神崎が成長していく姿がナニ金の灰原のようで面白い。風俗嬢に恋して付き合うも、仕事がうまくいかず八つ当たりしてふられてしまったり、自分の暗い境遇と重ね合わせて小さい子がいる債務者をハメることに躊躇したり、悩み苦しみながら案件ごとに一皮むけていく姿を読んで、同年代の自分も共感してしまう。凶暴で恐怖の対象であった盟友・金子との関係もお互いの命を奪いかねない危険な仕事から、金子の親友を救うために神崎が尽力したりと、翼君と岬君に無いハラハラドキドキの演出も上手くて最高なのだ。脇を固める夏目、冬月といった秦探偵事務所の人間たちもアクが強くて魅力的で面白いし。手形や債券に関するパクリ屋やサルベージなんかの金融知識は勿論、土地転がしや地上げとか置屋みたいな様々なグレーな仕事の有り様が分かって社会科見学見たいで楽しい。続編の「悪道」編は、本作の最後で得た政治的、資金的なバックボーンを基によりスケールの大きい仕事の話になっているみたいなので読むのが楽しみ。