midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「ブレックファスト・クラブ」を観る。

「ヤング・アダルト・USA」でべた褒めだった本作。ジョン・ヒューズの隠れた代表作のような位置づけで、スクールカースト物の金字塔との触れ込み。「大人になると、心が死ぬのよ」という映画史に残るような名言もあり。同じ学校にいながら、お互いの属するコミュニティが全く違うためにほとんど接点がなかった5人の男女が土曜日に補修を命じられ、ほんの一日の間でコミュニケーションをとってお互いの人生に触れ、少しだけ成長するというお話。一見「金八先生」とか「中学生日記」的な思春期の青臭い「友情とは?」「親とは?」「人生とは?」みたいなテーマを扱って胸焼けしそうに見えるんだけど、そういう暑苦しさをほとんど出さずに、重くならずに、それでも寄り添うように等身大のカメラが青年たちのやり取りを丹念に掬い取るようなそんな作品。キャラの造形や物語全体の構成など、確かにかなりコンセプチュアルで計算して作られてるなーという感じだった。アクションもラブもディザスターも笑いもなく、5人それぞれがただただ会話するだけの映画なんだけど、面白い。5人それぞれが均等に描かれ、焦点が当たるシーンがあり、皆が主人公であるバランス感も良い。無駄なシーンがほとんどなく、恐らくアドリブもほとんどなく、脚本にはめ込むような形で撮影されたんだろうなーと思う。

本作が撮られた85年当時のアメリカの高校に通ったことないから分からんけど、キャラの造形はどのくらいリアリティがあるものだったんだろう。現代にも十分通じるキャラではあるんだけどね。あと、エスニシティが偏ってるというか皆白人なのがちょっと気になった。もちろんアメリカの高校生をランダムに5人選んだとき5人とも出自は異なれど白人ということは十分あるだろうけど、本作のような物語で人種を分散させなかったのは、あるいは人種にまつわる討論を除外しようと思ったからなのか。多分、現実的なスクールカーストって結構人種構成とも統計的に有意な差で関わりあると思うんだけどね。