midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「スーパーの裏側」を読む。

スーパーの裏側

スーパーの裏側

最近、やっすい居酒屋(というか焼き鳥)にはまっている。今の住所から徒歩十分くらいの焼鳥屋は7割くらいは一度くらいは行ってみたと思うし、3ヶ月くらい前までの自分とは大分変った点だ。そんな中で、旨さと安さは必ずしも一致ちないのだなーという認識に至っているのだが、じゃあどんな焼き鳥が旨いのか、を突き詰めていく中で出会ったのが著者。ネット上でも息巻いており、大分辛口な人だとは思って本作を読んでみたものの…。ちょっと痛い本だった。

著者は帯広の畜産大学を卒業後、加工肉やコンビニやスーパーやらの現場でここ25年来食品に携わる仕事に勤めており、食の現場に対する意識は厳しく、本書を書いたのもひとえに消費者たる我々に賢い消費者となり、悪いスーパー(および食品業者)を駆逐してほしいという願いから来ている。うん、その通り、言いたいことはわかるし、実際本書を読んで目から鱗のような体験(卵を常温保存したまま販売するスーパーはサルモネア菌に対する理解がなっていない!みたいな)はあったんだけど、あまりにも独善的、排他的過ぎてちょっと胸やけを起こしたのが正直なところ。この辺、ロードバイク業界で例えればエンゾ早川的な匂いがする。いいスーパーとダメなスーパーの見分け方、とかは実用的でいいんだけど、9割がたのスーパーが「あり得ないダメなスーパー」に分類されそう…。

本書で一番の見どころはスーパーの隠れた悪事をあばく場面というより、こういう場面。「当時は、まだ珍しかったパソコンを難なく使いこなせた私は、マルチプラン(表計算ソフト)を使ってハム・ソーセージの配合管理を担当しました」とか「コストダウンで一目置かれるようになり、いよいよ会社でも怖いものなしという存在になってきたころ(の私)」みたいな言い回し。要するに、自分は優秀でザクとはちがうのだよ、ザクとは。といいたい人間なんである。うーん、スーパーの裏側を暴くのにこんな言い回し必要かね?

けなしたけど、彼はグルメだし少なくとも自分よりは敏感な舌を持ってるとは思うんだどね。ただ、小うるさそうで一緒に飲みたいと思える人ではないという。