「ダブステップ・ディスクガイド」を読む。
去年からアフリカの音楽の面白さや奥深さに惹かれて掘っていて、DJ的に音圧のある音楽としてmixするときにbass、dubstep、grimeあたりの相性が良くて、この辺りも改めて掘ってみようと読んでみた。
読み始めて気づいたけど、本書が出版されて10年も経っているということに驚いた。今読むと若干古く感じる解説もあるが、この辺りの年代の話だとリアルタイムで通過してきてるので、大学生の時にGoth -Tradが凄いらしいみたいな話を聞いたとか、BrialとかJames blakeが出てきた時の盛り上がりは覚えてるし、今も大ファンでもあるshackltonやBok Bok辺りの過去仕事の変遷や当時のシーンの中での位置付けを知れたのもすごくよかった。ただ、どちらかというと2000年代後半〜2010年代前半はHouseやHip Hopなどを軸にしてdiscoやsoulなど生音っぽい音楽や、リアルタイムよりも過去の音楽を掘り進めるのに夢中になっていた感じもあって、あまり「現場」でこれらのアーティストの音楽を体験することがなかった気がする。後半でかつてのDisk Shop Zeroのオーナーである飯島氏がレコード流通という側面からもUKのdubstepシーンについて述べていてすごく面白いのだが、店の存在自体は知っていたけど結局一度も買い物することなかったなと今更だが勿体無いなと思ったりした。ただ、本書でも若干disられ気味に紹介されているが、skrillexだEDMだとギンギン・ギラギラした音楽が最新のdubstepという音楽だみたいな紹介をされていたこともあって、dubstep周囲に関してやや冷めた目線で眺めていた記憶も同時にあった。
それでも、本書を読んで知らなかったアーティストの名前や曲を知ってかなり面白かった。聴き直してみてやはり思うのはdubを背景に持ってる音が好みだなぁということ。リズムパターンが面白いというのは前提として、UK音楽的に雰囲気がダークで冷たかったとしても、煙たかったり、delyやechoでザラザラした感触の音にグッとくる。
そういえば、kode9については思想的に危険かつ面白い人というイメージも持っていたけど、本書のインタビューは結構音楽オタク的で割と趣味合いそうだなという気もした。
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