midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

シェイプ・オブ・ウォーター」を観る。

結構期待して観たけど、正直がっかり。アカデミー賞とか色々取っていた印象もあったんだけど…。ギレルモ・デル・トロの感覚あまり合わないのかも。まごうことなき、恋愛映画。それでしかないのが残念だった。1962年のアメリカを舞台に、南米から釣り上げてきた半獣人(?)的な生物が、その保護施設の清掃担当女性と恋に落ちて、「地球の生態系に何も影響を及ぼさない」で終わる映画。「第9地区」以下の出来だと思う。

要するに、SF映画でない。監督は「アメリカで生きるアナザーたちの映画だ」的なことを吹いたらしいけど、ちゃんちゃらおかしい。ファンタジーというか、異文化感の恋愛という意味だと「ロミオとジュリエット」と言えるかもしれない。でも、さすがにこの出来は酷い。お互いがどんな種族なのか、性別があるのかどうかすらも分からないのに「恋愛」に結びつけるのは、ある意味冒涜だと思う。色んなセンシティブな議論を巻き起こさざるを得ない描写を取り入れていて、こんなに無責任でかつ詰まらない映画ってないんじゃないだろうか。結局、未知の生物が急にホモサピエンスの騎士道精神に目覚めて女性を助けたかと思いきや、彼自身の生態も思考も目的も分からないまま物語が終わるのだ。不親切過ぎて、SF好きからしたら肩透かしに合うこと受け合い。