midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

フーリガン」を観る。

ロシアW杯が盛り上がり、自分の中でもかつてないほどサッカー熱が高まってきたのでサッカー映画(本作ではサッカーじゃねぇ、フットボールだって言われるけど)を観てみた。結果としてはあんまサッカー描写ないけど、きれいにまとまった青春映画だった。イライジャ・ウッド主演で、気の弱い真面目なアメリカ人を好演している。ハーバードで学んでいたエリート大学生が友人にはめられて退学になってしまい、家族を頼ってイギリスに来たら、ふとしたはずみでフーリガンの一員になってしまい、そこにアイデンティティを見出して成長するというお話。

ケン・ローチ的な、パブとかファッションとかのイギリス大衆的な文化を楽しむ資料的な価値もある。英語力足りなくて聞き分けられないけど、本作に出てくるフーリガンの若者たちはコックニーで話してるんだろうし、英語の勉強にもなりそう。あと、正直言ってフーリガンってなんでそんなにフットボールに入れ込むの?ってずっと疑問だったんだけど、本作を観てギャングがたまたまフットボールを道具として利用して暴れまわってるという感じがした。「ワーキングクラスが成功するにはロックをやるかフットボールの選手になるしかない」と聞いていたイギリス社会そのもので、普通のギャングにとって一番身近なスポーツがたまたまフットボールというだけで、敵対するクラブのフーリガン達と抗争してたり、サッカー好きというよりはギャングでしかないというか。ただ、アメリカのギャングより救いなのは銃を持ってないことで、本作でも結構痛々しい暴力シーンはあるんだけどどこか肉体的で爽やかな感じすらあった。結構悲しいラストではあるんだけど、イライジャ君が成長して自分をはめた友人を懲らしめたり、なかなか見ごたえのある良作だった。