midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

ウディ・アレンの「マンハッタン」を観る。

めちゃくちゃ映像が綺麗だった。モノクロで映す70年代末期のNYの景色が美しい。雑踏の中を歩くウディ・アレンと17歳のトレイシー役のマリエル・ヘミングウェイとか、二人で眺めるプラネタリウムとか、バーで友人たち飲む場面とか、何気ない描写を支える背景となる舞台がすごく今見て貴重なセットなんじゃないだろうか。まぁ、その華やかな舞台でテレビ業界やアート業界の住民たちによって話される内容はウディ・アレン節の虚実入り乱れる下世話で情けない大人たちの痴話話なんだが。主人公のウディ・アレンはいつも通り偏屈で自尊心の強いユダヤ男だけど、17歳のトレイシーだけが嘘や衒いがなく、彼に対してもまっすぐ純真で、彼よりもはるかに人間的に強い。よりを戻そうと懇願する情けない40男に慈悲深い母親のように優しく断る彼女の姿がこの映画のラストシーンでありハイライトだった。