midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「バーバーショップ3」を観る。

リンクは1のサントラだけど。まぁ、1が優秀過ぎたのでそれほど期待はしてなかったけど、それなりに楽しめた。近年シャイラークと言われるほど治安が悪化していたサウスサイドのシカゴの床屋を舞台に、ギャング抗争の停戦を呼びかけるアイスキューブら床屋の個性あふれる面々と、口うるさい父への反発からギャングにあこがれてしまう息子との信頼関係回復がお話のメインとなる。カリカチュアは強いだろうけど、非常に時代性のある題材を扱ってることもあってアクチュアルな作品でもある。

シカゴというのをとても意識した作りになっていて、実際にアルバムでもアメリカ全土に悲惨な状況を訴えかけていた同郷のcommonが稼ぎのいい嫁の尻に敷かれる割とヘタレなキャラを演じてたり、重要な場面でcurtis mayfieldがかかったりする。さらに、眉毛が特徴的なNBA選手、アンソニーデイビスまで地元愛からチョイ役で出演しており、地元の人は嬉しいだろうと思う(どうでもいいけど、一般人と比べると頭身がキャプ翼なみにやばい)。

あと、黒人文化を改めて学んだのが、床屋の店員であるインド系の青年が黒人に対して「スイカ味のチキン」という話をしてその場の黒人たちがぎょっとしたこと(彼は罵倒する意味で使ったわけではない)。「バーバーショップ」シリーズは客や店員同士の何気ない会話や討論がとても作品においても比重が置かれていて面白いんだが、後で調べてみると、スイカは昔黒人が異様に好んでいた食べ物として白人の間に広まっていた謝った認識なのだという。フライドチキンも、もとは南部の黒人たちが安い骨付きの肉をスパイスで無理やり味付けして揚げていたのが始まりらしく、南部の貴族気取りの白人たちは下賤なものとして口にしようとしなかったらしい。フライドチキンにそんな背景があったとは知らなかった。こういうセンシティブな知識はきちんと持っておきたいと思う。