midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「きみはいい子」を見る。

前評判通り楽しめた。原作付ではあるが呉美保の前作「そこのみにて光り輝く」と同様あまり見たくないダークな日常を描いており、結構スリリングな展開。見てて思ったけど、題材の選び方とかその調理法とか是枝監督に近い気がした。本作は、児童虐待や学級崩壊やモンペアや認知症や色んな悩みを抱える人たちが逃げたくなりがちな問題に向き合って、周囲の人の力を借りながら寄り添って生きていく姿を描く。

高良健吾、小野真知子、池脇千鶴の3名の演技は元より、子役たちがとてもうまくて(この辺も是枝監督「そして父になる」を思わせる)映画の雰囲気を作りだしている。終盤で桜の花びらが舞い散りながら各エピソードがまとめられるシーンとかはいかにも映画的でちょっと冷めたけど、過剰な演出もなくとてもリアルな作りになっている。特に良かったのが池脇千鶴の生活感丸出しでちょっと貧乏くさい感じ。友人と会うのにクロックス履いて水玉のしまむら辺りで売ってそうな安っぽいパーカー着てたりと、「そこのみにて光り輝く」と比較すると全然違う役どころをとても「らしく」演じていて良かった。