midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「女子とニューヨーク」を読む。

女子とニューヨーク

女子とニューヨーク

これも旅行したNYにちなんで。去年読んだ「ヤング・アダルトU.S.A」で興味を持った山崎まどか著。NYの歴史を女性の偉業を中心に語るのかな、と思ったけど、ちょっと予想と違って、NYを舞台にした小説や映画、「VOGUE」や「GQ」のようなファッション誌やタブロイド紙といった様々なメディアに表彰される女性の姿を通して、20世紀のNYという都市の面白さを論じる、というような内容。

「ヤング・アダルトU.S.A」でも思ったけど、決して高尚なアートでもなんでもない「セックスアンドザシティ」とか「ゴシップガール」のようなドラマに始まり、下世話な社交界の女性たちの噂話までアメリカ文化に対する博覧強記ぶりがすさまじく、欄外に付けられた脚注がないとほとんど読めないほどたくさんの人名・固有名詞が登場する。正直本作を読んで読んでみたい・観てみたいという作品はほとんどなかったのだけど、アメリカの地方だけじゃなく、夢を持った全世界の女性たちの憧れの都市であるNYの器の大きさというか業の深さというか、「街に恋する」という感覚を味わうことが出来る面白い読書体験が出来た。