midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

特別な一日」を観る。

特別な一日 [DVD]

特別な一日 [DVD]

マルチェロ・マストロヤンニソフィア・ローレンの一日だけの逢瀬。ナチス・ドイツが同盟国イタリアのローマに凱旋した際の歴史的な「特別な日」に起きていた、不倫を見て見ぬふりをしながら、家庭のために懸命に働く女と、同性愛のため職を追われた元アナウンサーの男の二人による別の意味での「特別な一日」を描く。

物語は静かで、時間的に物語の進行と映画の進行が変わらないような感覚で進む。相手のことを少しずつ知っていくぎこちないやり取りが面白い。一番の見せ場は、白いシーツなどの洗濯物が一面に干されたマンションの屋上でのキスシーン。これを、物陰からそっと撮るような画面が美しかった。他にも本作は撮り方が印象的で、冒頭のシーンはソフィアが6人の子供達が寝てる部屋にそれぞれ回って起こしに行くんだけど、これをノーカットでソフィアの後ろからカメラが寄っていて、家をぐるーっと一周しながら撮るところも面白かった。

あと、ソフィア・ローレンはなぜか母親がファンで(「ひまわり」が好きらしい)、何となくゴージャスな女性のようなイメージがあったが、本作での家事に疲れた生活臭溢れる姿も魅力的な人だなと思った。食器の後片付けをしたあと、ひとりで食卓に座るアンニュイな表情とかね。ひどいなーと思ったのは、不倫夫が水道で手を洗ったあと、嫁の服で当たり前のように手を拭くシーン。ひどすぎだろ(笑)