midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

地球で最後のふたり」を観る。

去年くらいからなんか「静かな映画」が好きになっていることに気づき、静かそうなので観てみた。何か肩透かしを食ったような感じ。

バンコク日本文化センターに勤める自殺願望の強い元ヤクザ(浅野忠信)が、ふとしたはずみでろくでなしヤクザの兄貴を殺し、同じく事故で妹を間接的に殺してしまった姉がちょっと交流してみました、というストーリー。

殺し屋イチ」のポスターをかぶしてみたり、映像的に小ネタを色々仕込んでいるっぽんだけど、何か間延びしている感が否めない。クリストファードイルの映像って観てから知ったけど、やっぱりかと思った。ファンタジックでスタイリッシュなんだけど、刺さってこないというか緊張感が薄い。ぬるい。リアリティがない。意図してるのかもしれんが、匂わせるだけではっきり示さない(何回か見れば仕草とか何気ない描写に意味が込められてるかもしれないけど)。

初対面時に自殺しようとしていた、どこの馬ともしれない無口な外国人をいきなり家に泊める女っているかね?しかもそのまま一緒に暮らすとかさ。浅野忠信も英語がたどたどしいのもあるかもしれないけど、ほとんど人形みたいに「この辺きれいだね」とか「これおいしいね」とか聞かれたことにしか答えないし気持ち悪いと思うんだが。本作のキーアイテムになる絵本に「一人ぼっちよりも敵に囲まれてる方がまだいい」的なくだりが出てくるんだけど、このぎこちない交流こそが傷ついた二人にとって生きていく上で必要だったってことなのかなあ。

ラストシーンで手錠かけられたままタバコ吸ってるシーンとか、知り合った女の子がソファで寄りかかってくるシーンとかの絵ヅラはすごくかっこいい(イメージビデオ的)けど、映画として見たときにちょっと物足りなさがあった。