midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「のめりこみ音楽起業」を読む。

P-vineについては、内容を知らなくても「レーベル買い」出来る素敵なインディペンド系のレーベルだと思っていて、そんなP-vineを75年に創業してからというもの、今日に至るまで音楽に対する愛情を第一に運営してきた男の音楽文化や経営に関する雑多な思いを記した物語。

本書で語られるブルースを初めとした辺境のブラックミュージック音楽に特に興味がなくても、新しい分野を切り開いていく仕事がしたい人にとって、その大変さを語ると同時にそっと背中を押してくれそうな一冊。

いや、もちろん大変な例や失敗する例の方が挙げていったらきりがないんだろう。でも、「好きな音楽をもっと色んな人に聴いてもらいたい、広めたい」という使命感をもって仕事に打ち込めるのは最高だよな。もちろん仕事である以上採算はとらなきゃいけないし、自分や従業員を食わしていく必要もあるけど、仕事に対する美意識やロマンをなくしてひたすら保守的に働いている人よりはずっとかっこいいし楽しい人生だろうな。

著者の日暮氏は最終的に自分の子供とも言えるだろう会社を手放して現在はよりパーソナルな仕事の準備をしているみたいだけど、リタイアした時に自分が残してきた膨大な仕事とリスナーだけじゃなく業界で生きる様々な人とのつながりを残せたというのは素直に尊敬するし、自分もそんな仕事がしたいと思う。

自分の本業はSEで、それはそれで誇りを持って仕事をしているけど、「のめりこんで」仕事をしているわけではないし、何より職場にそういうロールモデルになるような人もほとんどいない。だから、音楽もそうだし、もっとバイタリティをもって色んな方向に働きかけていきたい。