midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

やっとこさフアン・ルルフォの「ペドロ・パラモ」を読む。

ペドロ・パラモ (岩波文庫)

ペドロ・パラモ (岩波文庫)

うーん、うまく読めなかったなぁ。読む力がまだまだ足りないのかも知れんが、難しくて後半部分がほとんど「読めなかった。」テキストを追ってその場その場のイメージは頭に入るんだけど(結構綺麗な情景描写が多くて気持ちいい。特に水に関する描写とか)、全体の構造がさっぱり掴めなかった。というかこの作品の構成の中でかなり重要な転換点であろう、最初の語り手であるプレシアドの一人称の話が他の人物によってなされてるってことに気づかず読んでたのだ。俺の読みながらのイメージだと、物語の中心はプレシアドと母親と父親であるペドロの関係性についての話なんだと思って読み進めていたから、物語のラストの方は何でペドロとフサナの話ばっかでプレシアドが出てこないんだろうとか思ってた。解説が丁寧だったのでそこで色々気づいた…。

文体というレベルで批評するなら、過去や現在を飛び回る断片ごとの話の切り方かなり独特のリズミカルな物語の流れを作っていて、その中の登場人物の会話と感覚的な短い文章が織り成す読み応え自体は肌にあった。だけどキャラが多すぎて誰が誰だか分かんなくなってくるし(読みながら人物相関図作ろうかと思った)、ペドロを初めとしてそのキャラ達が何を・なぜしたいのかもほとんど読めない(感情移入する要素皆無)なのでやはり難解だと思う。

何周か読めばとりあえず構造自体はつかめるかも知れんけど、ペドロ自体のドラマにあまり魅力を感じなかったんだよなぁ…。魅力的な人物か?のしあがって地方のヤクザになって女とっかえひっかえだけどフサナという女に全てを求める話?今の時点で「たいして面白くない話」が今後経験値をつんで面白くなるか微妙だけど、しばらく寝かしてまた読んでみてもいいかもね。