「野火」を観る。
- 出版社/メーカー: 角川ヘラルド映画
- 発売日: 2007/01/26
- メディア: DVD
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初の市川崑監督作品。高校か中学の現代文で原作を途中まで読んだと思うが、あまり筋は覚えていなかった。むわっとむせ返るようなフィリピンのジャングルの描写が良い。太平洋戦争の末期、フィリピンを進行する日本軍の右往左往を放浪するように歩き回る主人公を元に描く。
でも、多分これって主人公の心境を丹念に追っていく小説だと思うんだよな。そういう意味だと、表情、立ち振る舞いを描いた映像と時々入るナレーションだけで説明するのはなかなか難しいんじゃないかと思う。wikiで観てみたけど、主人公は元々信仰を持っていて~という件なんか映画見てるだけじゃほとんどわからないと思うし、「猿の肉」を勧める同僚兵士を射殺するに至った理由もイマイチよくわからない。
ただ、描写はすごく迫力があった。目的地に向かうために沼地を越えるところをアメリカ軍に襲われるシーンとかは「プライベート・ライアン」の冒頭のような息詰まるような場面があったし、砂漠や岩壁を亡霊のようにさまよう姿をロングで切り取った場面はかなり印象的。