midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を観る。

ちょっと微妙だった。監督のラッセ・ハルストレムは「ギルバート・グレイプ」がすごく好きなので見てみたけど、ギルバートの方が面白いなぁ。1950年代のスウェーデンを舞台にした、一人の男の子の成長物語。

成長物語のはずなんだけど、その描写がうまくないというか、わかりにくいと感じた。ラストは物凄く唐突に終わるし、「あのエピソードは結局どうなったの?」という部分が多い。主人公の男の子は牛乳が苦手でお母さんを困らせてるんだけど、お母さんが入院するってんでおじさんの家で出された牛乳を結局飲まない。少しずつ努力して飲めるようになりました、みたいな描写があった方がいいんじゃないの?異様に反抗的でサディスティックな兄貴(猟銃で人や自分ちの愛犬を撃とうとする)の存在もよくわからないし。結核が重くなり、死に近づく母に対して主人公は「焼けたら自動でパンが出てくるトースターをクリスマスにプレゼントしよう」と思い立つが、なぜトースターなのかよくわからないし(特にパンを焼くことで困ってたという描写はない)、悲しいことに亡くなってしまった母にはプレゼント出来なかったが、それが物語上で特に何か作用することがなく終わる。なら、このエピソード必要か?主人公と仲良くなるボクシングをやる女の子がいて、ファッションも女であることを拒否して男としてスポーツに興じているんだけど、ラストシーンでは急にワンピースを着てたりして、どこで回心したのか不明だし(決意するような描写がない)。

主人公を引き取るおじさんを初めとして周囲にちょっと変な人が多くて(エロ本を朗読させるじいさんとか、年中屋根の修理ばかりしてるおっさんとか)、牧歌的でほのぼのした雰囲気を楽しむことはできるけど、なんか煙に巻かれたような印象も残った。