midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

デトロイト」を観る。

「私はあなたの二グロではない」と同時上映していた大森キネカにて。凄まじい緊張感で、終始画面にくぎ付けとなり、めちゃくちゃ楽しめた。1967年に実際に起きたデトロイト暴動でのアルジェというモーテルを舞台に、デトロイト市警による無抵抗の黒人に対する暴力を描いた作品。監督は「ゼロ・サーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー。ウィル・ポールターがめちゃくちゃ差別的でいけ好かない白人男を好演。あと、wikiもないし全然俳優として有名でなさそうなんだけど、事件の被害者であるザ・ドラマティックスのリードシンガー役の青年が結構イケメンでかつすごくスウィートな高音シンガーで良かった。

警察って古今東西関わらずやっぱ本質は合法ヤクザなんだなぁという認識が強まった。フィクションではあるけど、「ペパーミント・キャンディ」とか「ゲームの王国」でも警察とは最も恐ろしい組織だった。もっと大きな話を言えば、大量破壊兵器を持つ疑いがあるといってイラクを侵攻したアメリカの姿も相似形かもしれない。絶対に納得出来ない、理不尽な取り調べと拷問も、国家権力の元で銃を前につきつけられると反抗できない。白人警官たちも家族があり、それぞれが良心と倫理感とプロ意識を持っているのだが、警察という立場に置かれることによって暴力性のタガが外れる。そして、捜査の途中で誤りに気づいても、無謬の原則というか自分たちの立場を守るため隠ぺい工作や口裏合わせをする姿も非常に醜悪でリアルだった。手に汗握る名作。