midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「海外で研究者になる」を読む。

昨年くらいからよく聴いてるポッドキャスト「研エンの仲」で、結構留学や海外で研究者として生きていくキャリアの話などが紹介されて面白くて、なんか一冊軽い本を読んでみたいなと思って読んでみた。予想通り面白かった。

海外と言っても場所は様々で、欧米、北欧、アジア、中南米など色んな大学で研究者として生きる人たちのそれぞれのメリットでメリットが紹介され、「助教」やAssistant Professorみたいな訳語と学会内での役割の違いだったり、日本との比較文化論的な要素もあって面白かった。

大学内での評価のされ方も違えば意思決定も違うし、研究に使える資金や学会内での立ち位置も違うし、研究と教育の度合いが違ければ単純に給料っや福利厚生、住む場所の文化やウェットな人間関係の違いもあるとかで、世知辛さも含めて笑ってしまう箇所も多かった。インタビュアーの選定には著者の明確な意図もあったということで納得。著者自身もこの執筆後にイギリスからアメリカに移っていたりして凄く面白いのだ。おこがましいが、ベンチャー企業を渡り歩くエンジニアのキャリアに通じていて凄く共感できた。

今の自分は研究者ではないけど、ただの学卒なのにいまだに論文読んだりもするし、どこかで後押しがあれば研究者を目指していたかもなぁとは今でも思う。と同時に、本書を読むと当たり前だけど積み重ねてきた研究や実績、語学力やコミュニケーション力があって初めて海外で研究者になれるんだよなぁということも確認できて、今更ちょっと院に行って勉強してみますみたいなレベルでは無理だよなということも確認できた。研究職をやってる友人も数人思い浮かぶけど、理系で大学の専門をそのまま生かして研究者になってる感じだし、今の自分がアカデミアの世界で実績を残せるとしたら社会科学なのか、働いている情報系や工学系なのかどっちが近いんだろうという風に想像しながら読むのも面白かった。