midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

プロダクトマネジメント」を読む。

副題の「ビルドトラップを避けて顧客に価値を届ける」ための方法論を、CxOなどの経営層のレイヤーから、もっと実務的にプロダクトを形作るレイヤーまでの何度も繰り返しながら語るような内容で、それほど大きな学びはなかった。要は目的と手段が逆転してしまっていたり、局所最適化してて全体最適できていないなどの「失敗の本質」に近い読後感。ただ、著者の実際の仕事に当てはめて平易な言葉で語られるので実感は持ちやすく、読みやすい。読んでる途中も、社内の近い立場の人たちの顔と普段の仕事ぶりを思い浮かべながら読んでた。

本書で紹介されている「ミニCEO」のような感覚になってしまうプロダクトマネージャに「私の仕事は価値を生み出すことであって、自分のアイデアを形にすることではありません」とか、さまざまな関係者の注文をただ受けるだけの「ウェイター」でもない、とかは陥ってしまいがちなアンチパターンとしてあるあるだろうな、と思えるし、常に利用者の声を聞いて学び、リスクを下げるのが大事、など心構えを学べる。

実例として面白かったのが何度も参照されるNetflixプロダクトマネジメントで、「顧客に価値を届ける」ためにサンクコストを気にせず自分達のプロダクトを大幅に変えたりしてきた例を挙げており、素直にすごいなと思った。うちの会社でこういう意思決定をするのは難しいよなとも思ったり。