midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「総員玉砕せよ!」を読む。

 学習マンガとして取り上げられていて読んでみた。

gakushumanga.jp内容はシリアスなのだが、なんとなくのほほんとしている。背景や悲惨な攻撃のシーンなどは非常に緻密で写実的な表現で描かれている一方で、戦場での日常は絵もゆるゆるで話的にも内部の人間関係のすったもんだとか食糧事情などがメインで間抜けで味わい深く、水木しげるならではだな、と感じる。後書きに文章としても記してあったが、戦況が変わり軍としての指揮系統や統率も取れなくなり、何のためかわからないまま、いかに勝つかではなくただ死ぬことを求められる若者たちの姿は実際に戦場を生きた作者自身の戸惑いでもあるようだ。

こういう状況に生きていないのは運が良かったからとしか言いようがないが、過度に過去を美化するでもなく卑下するでもなく冷静に学んで、後世の社会に活かせるようにしなきゃなと思う。