midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「スパニッシュアパートメント」を観る。

スパニッシュ・アパートメント (字幕版)

スパニッシュ・アパートメント (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

あー、学生時代に無理してでも留学したら良かったなぁと思わせる作品。フランス人の大学生が親や周囲の期待に応えようとスペインに留学し、一年をバルセロナのフラットで過ごすお話。大筋の物語があるというよりも、ルームメイトたちのお決まりの国民性ジョークみたいな要素だったり、留学生の生活感を描くのが中心となっており、オシャレ感のないテラハ的な感じで、見てて羨ましくなる位楽しそうで良かった。ヨーロッパ留学生のことをエラスムスと呼ぶとか初めて知った。

撮影方法は割とクラシックなヨーロッパ映画感があるのだけど、画面の中に小さな別視点の画面(ワイプ)を入れる演出を多用したり、コメディタッチな内容に合うような軽さが良かった。クラブで酩酊する時や、CTスキャンを取る時の脳内を主人公が歩き回る様なファンタジックな演出も今観るとありがちな感じはあるが楽しかった。少し真面目なミシェル・ゴンドリーという感じだろうか。

2002年作品という一昔前の作品ということもあり、今見ると懐かしく感じる生活風俗や描写が多く変な意味で楽しめる。例えば、携帯電話の通話が不十分なのか、フラットの固定電話はルームメイトの誰かが独占する形となり、話してる間は皆に内容が駄々洩れだったり、パソコンの型が古かったり。音楽もフラメンコやスペインマナーのかっこいい曲も流れるんだけど、物語的に重要な場面となる主人公たちがクラブで羽目を外すときの音楽がダフトパンクだったり、意気消沈した時にredioheadが流れたり、流行りのポップな音楽が流れてきてなかなかキッチュで青春ドンピシャでグッときた。

最終的にウジウジした主人公が少し成長する感じとか、ルームメイトの浮気現場をやり過ごすチームプレイを見せつける物語の山場とか、どれも微笑ましくて笑える。若い人に勧めたい映画。