midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」を観る。

 長谷川町蔵氏の著作で紹介されていた作品のうちamazonで見ることのできたもの。コメディとして笑えたのはもちろん、映画内映画ということで、映画を作ることや演技をするとは、という問いに自己言及的で面白かった。ベン・スティラー監督主演で、内容としてはベトナム戦争を描いた映画の撮影中に事故で現地の本物のギャングに関わってしまい起きるドタバタ劇というもの。映画の冒頭に本編で登場する俳優たちが出演した映画の予告編を配置するという構成も面白かった。

様々な思惑でこの作品に参加する俳優陣は勿論、頼りない監督や頭のネジ吹っ飛んだ爆発シーンにこだわる特撮スタッフやら俳優のエージェントや金にこだわる冷酷非道なプロデューサーなど、「こんな人いそう」というのを過剰に突き詰めた濃ゆいキャラがエネルギッシュに動き回る。

ストーリーは勿論無理があるんだけど、笑いどころや過去の戦争映画のパロディもバランス良く配置されており、飽きずに楽しむことができる。キャラ的に爆笑したのがチャラそうなのに仕事に律儀なエージェント役のマシュー・マコノヒーと最後まで正体に気づかなかった、ダーティワードを連発しまくる最低プロデューサー役のトム・クルーズ。二人とも普段は本作の俳優役よりはるかにイケメンで絵になるスター俳優なのに、嬉々としてアホな役やってるのが良かった。特にトム・クルーズの吹っ切れ方は最低男であるピックアップアーティストを演じた「マグノリア」並で最高。ラストシーンの気持ち悪いダンスは必見。俳優陣の中だと、ヘロイン中毒のコメディアン役ジャックブラックの顔芸とハイテンションが職人技っぽくて超良かった。