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webエンジニアのメモ

 「ゼロからはじめるデザイン」を読む。

ゼロからはじめるデザイン

ゼロからはじめるデザイン

 

 職場にデザイナーがいるという新しい環境で、多少なりとも会話したり接する機会を持ったことで、改めてデザインって何ぞや?と思って読んでみた。高校生くらいの時に原 研哉の「デザインのデザイン」読んで面白かったことは覚えているが、デザイン理論本というとそれ以来くらいかも。HTML,CSSなどのサンプルコードなどは登場しないが、基本はwebページのデザインを念頭に置いて書かれている内容となっているが、巻末に紙媒体の特色や印刷方式などの違いの紹介もある(凹版印刷のことを昔グラビアといってたというトリビア)。デザイナーとしてクライアントとものを作る上でのコミュニケーションの仕方とかデータの入稿の仕方とかもアドバイスしてくれる。

「デザインとは設計である」というメッセージを掲げ、アートとデザインを切り離して、理屈っぽくデザインを設計していく過程について種明ししているみたいな感じで面白かった。あからさまに悪い例と良い例を見比べることで、なるほどねと膝を打つような場面も何度もあるし、無意識に自分でもやっているような要素の整理や並べ方に呼び名がつく感じも面白かった。

・「近接」「反復」「対比」(ジャンプ率)「整列」(基準線やグリッドを意識)という概念。言われんでもやってる気がする。

・デバイスによって可変する「レスポンシブデザイン」。スマホでもPCでも表示可能なデザイン。

黄金比白銀比白銀比はA4やB4の比率にもなっている。

・視線の誘導を考える。Z型とF型の視線移動。人物像がある時、その人物のセリフ要素はその人物の目線先に配置しないと見にくい、とか。マンガ的な考え方だよな。

・レイアウトを考える時は、まず要素を抜き出し、どのように配置するか試行錯誤すべし。同じように、まずはシンメトリーな画面を作ってみてから少しずつアシンメトリーにして適切な情報伝達が出来る配置を考えてみるべし。

・デザインにおいては、記号や図形は基本的に抽象化の方向で考える。丸くすると柔らさ・幼さを表現し、四角くすると硬さや重さを表現出来る。要素をそぎ落として、遠くから、一目でも視認できるものを考える。文字が読めなくても、ピクトグラムやサインでトイレの場所や避難場所や道路標識を認識できる。

・色の持つイメージを把握する。赤い要素で進むボタン、緑の要素で止まるボタンとかの配色をすると、世界的な色のイメージと真逆になるのでユーザの操作性がめちゃ悪くなる。イメージに逆らわない配色をすべし。

・書体についている「セリフ」。文字の端っこの飾り部分で、過剰なほど優雅で上品なイメージ。ゴシック体にはセリフがなく、サンセリフといい簡素で安心なイメージ。

プロポーショナルフォント。文字ごとに文字間隔が設定されているフォントで、等幅のフォントより文章が読みやすくなる。例えば、TよりIが幅が狭い、とか。

・普段料理をしない人は料理を作る手順や材料を思い浮かべることが出来ない。デザイナーはデザインに必要な要素や方法についてクライアントに説明できないといけない。

・nudgeを考える。初期設定値やボタン配置などを考慮し、ユーザの行動をデザインする。