midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「地球の静止する日」を観る。

 第二次世界大戦の直後に制作された古典SF。冷戦幕開けっぽい当時のアメリカとソ連の仲違いとか、核兵器保有するに至った人類はネクストステージに立ったのだ的な歴史的背景を踏まえながら揶揄しつつ、短時間で英語を解するという「人類より進んだ文明を持つ」宇宙人に対するファーストコンタクトを描いた傑作。ワシントンDCの公園にある日突然UFOが着陸し、中から人とロボットが出てきて地球人と対話を試みる、というもの。今となってはちょっとちゃちい特殊効果や小道具が可愛く見えてしまうが、十分楽しめた。宇宙船の中はちょっとキューブリック的な、幾何学的なデザインと光に彩られた美しいインテリアになっていてカッコ良かったし。

隔離された病院から逃げ出した宇宙人が、未亡人と少年という一般的な家庭に接触して交流するという部分とかは「E.T」にも通じてほんわか出来る。とは言え別に宇宙人からは大した情は持っておらず、あくまで地球人に対して警告に来た使者という立場で、お前ら自身で殺し合うのは好きにしていいけど他所に(というかうちらに)迷惑かけんなよ、というメッセージはなかなかリアルでもある。

ただ、宇宙人の体の造形が解剖学的に人間と変わらない、という設定に対しては無理やりにでも理屈をつけて欲しかったな。それこそ、「星を継ぐもの」における最大の謎を放置したまま物語が進んでしまうということだから。