midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「シング・ストリート」を観る。

 

シング・ストリート 未来へのうた [DVD]

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 「耳をすませば」ばりに可愛い雰囲気でめっちゃ青春映画だった。デュランデュランとかに始まる、80年代のメイクばりばりなニューロマ全盛期の音楽に彩られてることもさることながら、物語も全編キラッキラ。ラストシーンも大人目線で行くと、こんなん上手くいくわけないやろ…みたいに思ってしまうけど、「耳をすませば」的に爽やかなラストで終わる。物語としては、80年代のアイルランドを舞台に、転校生の冴えない男子高校生が好きな子のためにバンドやるってだけの話で、宇多丸師匠によると監督の自伝的要素が強いらしい。

ただ、若干雰囲気映画っぽさも強いというか、もうちょっと政治性とか出すと物語に奥行きが出ていいんじゃないかなぁなんて思った。基本、主人公と好きな女の子を中心に物語が駆動するんだけど、もっと周囲の人にフォーカスする時間を増やしてもいいじゃないかというか。元バンドマンでニートの兄貴の背景とか、黒人のキーボーディストの少年の背景とか、チビでMV監督気取りの少年とか、ほとんどの楽器が弾けるけどヘタレの少年とか、主要キャラの生活ぶりとかをもっと映してもよかったんじゃないかな。宇多丸師匠によると、曲が生まれる瞬間の、ゼロイチの湧き上がる感動をうまく映像に落とし込めていて流石ミュージシャン出身の監督だ、と言っていて確かにそれは良かったんだけど。