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ヒアアフターを観る。

ヒア アフター [DVD]

不思議な映画だなー。幼少時に九死に一生を得た経験を持つ霊能者のマット・デイモンを中心に、身近な死に触れた人たちと繋がりを持っていくというお話。

個人的には、料理教室で出会っていい感じになりかけていた女性が、後一歩と迫るところで(自分の家に呼べたのだ)自分の能力が元で関係性を壊すことになったというのが印象的だった。「大きな力には大きな責任が伴う」じゃないけど、特殊な能力を持つ人は重宝がられる一方、それを期待されることで繊細な関係性を壊すことになった経験を積み重ねているのだろう。漫画「銭ゲバ」で、純真無垢な少女に親心のようなものを抱いた成金の銭ゲバが、その大きすぎる金の力のせいで、意図せず少女に体を差し出させるに至ったエピソードを思い出す。「そんなつもりではないのだ」と。

「才能ではない、呪いだ」という内容のマット・デイモンのセリフは重たい。人助けになるか、傷つけるか、やってみないと分からない。自分にはそんな力はないが、森恒二「デストロイ アンド レボリューション」のように、歪みを感じる社会に亀裂を生じさせるような使い方をするだろうか。