midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

prometheus実践ガイドを読む。

かなりためになった。prometheusだけの解説ではなく、監視やおブザーバビリティとは何かというところから始まり、kubernetesとprometheusの関係だったり色んなコンポーネントをどうやって構成するのが良いかという実践的なことも含めて学べる。サンプルコードもついており、動かしながら学べるのも良い。

「彼方のアストラ」を読む。

思ったよりかなり面白かった。5巻というちょうど良い長さで、少年漫画的な軽いノリやポップさもありつつ、第一話から張られた伏線などきちんと練られた構成や設定、ハードすぎないSF、友情、恋愛、ミステリーなど色々な物語を面白く読ませる要素をバランス良く盛り込間れている。絵も見やすく綺麗だ、SF的なガジェットや異星の生物たちのデザインなんかも見ていてワクワクするし、読む手が止まらない状態になった。メインキャラ9人は少し多めに感じるけど、それぞれにドラマや葛藤があって物語中で成長するので読後感も爽やかで良い。

作者が「SKET DANCE」の人とは全く知らずに読んだのだが、元々のコメディノリがある人が描くSFという点で「それ街」から「天国大魔境」を描いている石黒正数氏を思わせる。絵の見やすさとかも何となく似てるかも。

ヒストリエ」を読む。

「チ。―地球の運動について―」をお試し分だけ読んだ後、なんとなく読みたくなったのが本作。まだ3巻までしか読んでないけど、これぞ岩明作品という感じのかなり丹念に調べた上で描いてるんだろうなという丁寧さと必要以上のグロ描写で狂気を感じる。絵は少し丁寧になったというか細やかになっている気がする。そして読ませる力がすごく、面白い。思った通り、「チ。」を読んだ時のフィーリングに近いものを感じる。

ヘテロゲニア・リンギスティコ」を読む。

ずっと前に3巻まで読んでたのだが、内容ほとんど忘れていて、改めて読み直してみて面白いなと。種族が違えば感覚器官に違いがあるので、お互いの意思疎通方式がN対Nになる。特定の手段でコミュニケーションを取ったとして相手から反応がなかったとしても、それが種族全体で受け取れないコミュニケーションなのか、その相手固有の問題なのか(老いている、子供だから分からないとか、イライラしていて反応したくないなど)など様々なパターンが考えられるので常に判断が保留になるなど、フィールドワークをする研究者の面白さが詰まっていて良い。ただの研究者として根掘り葉掘り聞こうとする態度の人に対して、人として扱われない感じがして積極的に会話したいと思わないよね、と諭されるエピソードも良い。

個別の言語学に関する面白いエピソードはたくさんあるのの、まだ世界観自体の解説や主人公の目的や動機の掘り下げといった物語の本筋は大きく進んでないので、これからも老い続けていきたい作品。

「入門eBPF」を読む。

面白かったし、前評判通り難しかった。ただ、「Linuxカーネル空間で実行する監視に便利な機能」くらいに漠然としていたeBPFの解像度が上がり、歴史的な背景やどのような仕組みで動き、どのような使われ方をする機能なのかを理解できた。eBPFだけでなくLinuxカーネルやコンテナといった近接する分野の解像度が上がるので読んでいて気持ち良い。

サンプルコードについてはC言語部分は読みづらかったが、何をしているかの解説が易しいのでちゃんと読むことができた。現場レベルで使われているコードの読み書きやTetragonやciliumみたいなツールに触れたこともないので実感が伴っていないが、これから十分学べるはずなので予習ができた感覚。

 

「戦争は女の顔をしていない」を読む。

「同志少女よ、敵を撃て」でも参考にしていたという本作の漫画を見つけたので読んでみた。

timit.hatenablog.com

様々な立場で語られる戦争体験のエピソードが想定していた通りヘビーな内容。身近な人が目の前で殺されたり、殺したり、多くの仲間がいた中で1人だけ生き残ったり、戦争後も辛い生き方を強いられたり、PTSDのような形で死ぬまでその影響から逃れることが出来ない。可愛らしい絵柄であまりにグロい表現はないのだが、画面全体的にトーンが薄くて掠れたような線なのでどことなく悲しさや侘しさが漂う。バンドデシネとかの読者は本作を読んでどんな印象を受けるだろうか?

本当に自分が今どれだけ自由に生きていけてるかを噛み締めることができる。歴史上、自分の住む場所、職業、信仰、家族形成や表現など自分の意思で決められることなんて本当に限られていて、現代ももちろん戦争は起きているし色々な問題は山積みだけど自分自身は「数年後に生きていられるかわからない」というような心境で人生を運営していないので、平和ボケしてるよなと感じる。本作に登場する彼女たちのように「実体験」でない以上は常に戦争をそばに置きつつ生きていくことは出来ないし必要もないとは思うが、きちんと考えながら生きていきたいとは思う。

「lambda実践ガイド」を読む。

Lambdaで簡易な処理を実装する機会が増えたこともあり、改めてサーベーレスを含めてAWSでの簡易的な関数を実行するための仕組みを含めて学べた。API GatewayとLambaとS3やDynamoDBなどを使って簡易なwebアプリを構築する手法を学ぶことができる。Lambdaの実行環境の裏側やLayerなどのライブラリ連携の構成についても解説があり、サーバーを使う運用との差異を学ぶことができた。

また、改めて感じたのは、現場で作ったLambdaは本書の内容を超えているということ。人によっては読み進めてがっかりするかもしれないが、個人的には現場レベルで Event BridgeとLambdaとs3を使って作成した処理は本書のレベルよりも高かった。